時間のへそくり
夏になると本屋さんには読書感想文にお薦めの本コーナーが出来て、古典から現在流行の本までがずらりと並び賑やかです。その中に毎年、松本清張さんの本が含まれています。亡くなって二十年近く経ちますが昔好きでよく読んでいましたので、今尚支持されているのを見て嬉しく思います。
清張さんは作家デビューが遅かったため、自分の残りの人生と書きたいものの多さを比べてみて、とても死ぬまでに全部書ききれない、ということで、「時間が無い、時間が無い」と言いながらペンを走らせていたそうです。家の時計をわざと一時間進めて、時間のへそくりまでしていたそうです。
私も若い頃は朝起きられなかったので、目覚まし時計を少し進めておいて、毎朝、(まだあと少し寝ていられる…)と自分を慰めていましたので、その気持ちが解るような気がしました。