神様がくれたプレゼント
先日、美容院の待ち時間に何気なく手にした1冊の絵本が心に残ったので紹介したいと思います。
公園で遊んでいた子どもが一人の老人と出会います。老人は穏やかに笑いながら子どもに言いました。
「君はいつか素敵な『プレゼント』を手に入れることができる」
それ以来、子どもは毎日毎日プレゼントを心待ちにしていました。けれど、いつまでたってもプレゼントはやってきません。
やがて、大人になった子どもは、老人の言ったプレゼントのことを今も気にかけながら、過ぎ去った過去を後悔し、まだこない未来を憂い、何の楽しみもない現在を嘆きながら、日々の暮らしに追われていました。
彼は「あの老人が言ったことは嘘だったんだ」と思ったりもしましたが、あの公園での老人の柔らかな表情や言葉が、無邪気に遊んだ公園での輝かしい日々とともに胸に浮かび、老人の言葉はやはり嘘とは思えず、彼はまたプレゼントがやってくるのを待ちました。
歳を重ね、社会的にも認められ、暮らしにゆとりができてからも、ずっとプレゼントのことを考え続けていた彼は、ある日突然気づきました。
プレゼント = Present( 今 )
プレゼントとは『今』のことだったのです。
老人が言ったプレゼントとは、「今この瞬間を生きている」そのこと自体が「神様がくれたプレゼント」なんだということ。
かつて子どもだったあの日、公園でただ無邪気に遊んでいたあの日、彼はすでにプレゼント(今)を手にしていたのです。
彼は「プレゼントはいつか誰かがくれるもの」と、未来を憂い、過去を嘆き、肝心の今をちっとも生きてこなかったのです。
そのことに気づいたとき彼はすでにかなりの年齢になっていましたが、それ以降、彼はもう何も迷うことはなく、一生懸命に今を楽しむことだけを考えてしあわせに暮らしました。
あの日、公園で出会った老人に心から感謝。